2007年01月28日

ハイエクの思想から

雑誌フォーサイトの記事でハイエクの著書の紹介とともに、冷戦に関する記述がありました。共同通信の会田氏の記事です。
そこで、今年大学に入学する若者が1989年生まれであることが書かれてあり、
この世代からは冷戦のことを知らないのだなと思いました。

自分は1989年のベルリンの壁崩壊をテレビで見たし、ソビエト連邦が崩壊した
こと、バルト諸国が独立したことをラジオで聞いたことを覚えています。

ついでいえば、湾岸戦争や消費税導入あたりが歴史に立ち会っていた当初の
記憶だと思います。ソ連がなんとなく得体の知れない怖い国だということは
感じていました。そういう意味では、冷戦を知っている最後の世代かも知れないと思っているわけです。意外とこのことは、世代観、歴史観を見る上で重要だなと。

冷戦の終焉とともに世界の勢力図が変わり、経済の状況にも変化が生じた気がします。特にコンピュータの普及は大きくて、90年代から生まれた人たちは、物心ついたときから家にもパソコンがあったと思います。インターネットの利用も当たり前のように受け入れ利用して、冷戦の代物が個人の情報収集や消費に便利に使われるようになったのですから、時代というのが与える世代観には考えさせられるものがあります。

ちなみに、ハイエクの「隷従への道」という本は、経済の計画化は必ず独裁に行き着くと言い切ったことが特筆すべき点であるそうです。
需要供給のバランス、価格の決定は市場で決められるべき複雑なものであるわけですが、それを政府が介入した途端に歪みが生じ泥沼化します。政府はさらに価値観から始まり個人の生活に関わるすべてのことに干渉し、全体主義の圧制につながっていくというのが本の趣旨とのこと。

要は「計画の合理性」ではなく、「市場の不合理」を信じるのだということです。
市場は、人々の欲望、思惑が交錯するので解明不可能な代物であります。
多くの情報が集まり、それが価格という形で刻々と表示されるものなのです。
それを人の頭で考えることができるという計画経済という思想は愚かなものであるということを示しています。

ハイエクの思想を紹介した会田氏の会心の作であると思います。何気なく読んだのですが、冷戦を知らない世代が大人になるという分析から、自分の歴史観を少し考えるきっかけとなりました。そして、市場メカニズムについて再認識できました。
市場に参加する際にもこのことは十分理解する必要があります。人に市場の動きは読めないという点が特に重要です。

ちなみに、今流行の格差の議論ですが、格差とは上と下との差のことだと思うのですが、それが拡大しているかどうか詳細はわからないそうです。世界的な趨勢として格差は拡大傾向にあるのは事実だそうですが、はっきりしない状況で頭を抑えるのは市場の原則に反しているかもしれません。また、底辺について議論をするならば所謂貧困について議論することになります。これは政府実施の安全弁の機能でもありますが、やはり詳細は不明なので定義からはじめ調査、計画、実施、検証といった手順を踏めばよいと思います。ついでにいいますと生活保護の利点は、保護を受ける人ではなくて、一般にあるということを本で読んだ記憶があります。つまり、治安の維持に役立つという点です。保護を受ける人は援助病にかかり自立が難しくなると。
一概には言えませんが、この辺の調整は難しいと思います。


posted by 金時 at 19:09| 政治・経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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